ご挨拶
平素は、全信組連の事業運営につきまして、格別のご支援を賜り厚くお礼申しあげます。
全信組連は、設立以来71年に亘り、信用組合の系統中央金融機関としての役割を担うべく信用組合に対する総合的なサポートや業界インフラの整備・運営、安定収益を確保するための有価証券ポートフォリオ運営など、業界の信用力の維持・向上に努めてまいりました。また、一般社団法人全国信用組合中央協会との協働を深め、信用組合業界の中央組織としての意思決定の迅速化と機能強化を図っており、信用組合やそのお客さまを支えるため一体となって取り組んでおります。
2024年度につきましては、資金量7兆267億円となり、資金利益は219億円を計上、金利上昇局面における有価証券ポートフォリオの見直しを実施した上でも、当期純利益69億円を確保いたしました。この結果、健全性の指標である自己資本比率につきましても17.50%と引き続き高い水準を確保することができました。これもひとえに、信用組合をはじめ関係各方面の方々のご支援とご協力あっての賜物と切に感謝申しあげる次第です。
賃金上昇の継続による個人消費の増加や企業の設備投資の拡大等が内需を下支えし、経済活動は回復基調を維持すると見込むものの、米国の関税政策のほか地政学リスクの高まり等から世界的な景気後退のリスクも孕んでおります。また、信用組合の主要顧客である中小・小規模事業者においては、物価及び人件費の高騰に見合う十分な価格転嫁が進んでいない先も見受けられ、厳しい経営環境が続いております。こうしたなか、信用組合においては、取引先に寄り添い、資金繰り支援にとどまらず、経営改善・事業再生支援への一層の貢献が求められているほか、デジタル社会の進展やマネロン・金融犯罪対策など、内外に対応すべき課題が山積しております。
2025年度は、「全国信用協同組合連合会 経営の中期的戦略(2024年度~2026年度)」のもと、「すべての信用組合に万全なサポートを提供できる中央組織」を実現すべく、人材力強化に向け、組織的・継続的に取り組み、信用組合の経営に資する各種施策を着実に遂行してまいります。同戦略に掲げる各種施策に全力で取り組み、全国信用組合中央協会とともに、信用組合とそのお客さまをサポートしていく所存でございますので、一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
2025年7月
理事長
